顕微鏡的多発血管炎⑧

 

家から車で15分程の所にある総合病院は、

数年前に建て替えをしたばかりの割と新しめの病院です。

 

家から近いというだけの理由で選ばれたこの総合病院には

父も母も有事の際にお世話になった事があり、

特に直近の思い出としては

父を亡くした場所であったので、

懐かしいような何とも複雑な気持ちで

久々の病院に足を踏み入れました。

 

(今度この病院に来るのは出産の時にしようと思ってたのに(-_-))

 

と自分の腎臓に文句をつけながらも無事受付を済ませた私に

採血と尿提出のミッションが課せられました。

 

アルコール度数を測ったらきっと高めの血を採血室に納めた私は、その後が困りました。

 

お酒を飲まれる方はお分かりになるかもしれませんが、

飲みすぎた翌朝は極度の脱水症状に陥っていて、

水分を取っても取っても体内に吸収されるだけ、

という状態に陥っていたからです。

 

昨夜の自分のアホな行動を恨みつつも、

恨んだところで出てくるものでもないので

近くの自動販売機でお水を購入し、

飲み干した私はひたすら尿意を待ちました。

 

(なかなか来ないなぁ。。。) 

 

そしてこの尿意観察行動が予想外な所で

私を苦しめることになるのですが、

それはまた後日のお話です。

 

なんとかようやく尿の提出を終えた私は

しばらく待たされた後、

診察室へ呼ばれました。

 

診察室の前で先生のお名前を拝見して、

またまた困惑しました。

 

そこには韓国の方らしきお名前が書かれていたからです。

 

(日本語で大丈夫なのかな。。。)

 

病気とはまた別の不安を胸に抱きつつも

勇気を持ってノックをした私に

 

「はい」

 

という女性の声が聞こえました。

 

(あれ?はい、って日本語だよな?)

 

瞬時にそんな事を考えながらも、

許可を得た診察室のドアを開けました。

 

「失礼します」

 

恐る恐る開けたドアの向こうには

女医さんがいらっしゃいました。

 

それもただの女医さんではありません。

 

ちょうどその頃あの大人気ドラマの

続編が放送されていた頃で、

そのドラマを見たことのなかった私でも、

このフレーズだけは知っていました。

 

「私、失敗しないので。」

 

そうです。

 

そこにはあの大門未知子(風の)先生が

いらっしゃったのです。

 

それだけで妙な信頼感、安心感が湧きました(笑)

 

勝手に信頼感、安心感を抱かれてるとも

知らない大門先生は流暢な日本語で、

私や家族の既往歴やらなんやらを聞いてきました。

 

その頃にはだいぶ自分の腎臓に問題があるかもしれない事を受け入れられるようになっていた私は、

近しい血縁者に多数いたこと、

そして血尿が出ていたことから、

腎盂炎押しでいきました。

 

デビル先生からこの総合病院初診日までの数日間、

練りに練って導き出した私のその診断を、

失敗しない先生は

 

腎盂炎は熱が出ます」

 

とばっさりとお切りになりました。

 

「血液検査の結果を見てみないと何とも言えませんが、

 若い女性で腎臓に症状が出るのに多いのが、

 Iga腎症なんですよね。

 とりあえず1週間で結果が出ますから、

 また1週間後にいらしてください」

 

そしてこの日から私は、

排尿障害に苦しめられることになります。

 

トイレには行くのですが少ししか出ず、

でも常に残尿感が付きまとい、、、

そして2、3日後には雀の涙ほどの尿しか

出なくなったその時、

”ポンっ”とシャンパンの栓を抜いたような、

詰まっていた何かが抜けたような感じがあり、

その時からまた私の排尿には平和が戻りました。

が、この出来事はこの後私に一抹の不安を与えるには

十分の出来事でした。

 

そして血液検査の結果を聞きに1週間後。。。

 

 

 

続く。

 

 

 

 

 

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三十代半ばにして毎年飾っているお雛様(^^;

 

お雛様は元来、持ち主の女の子の厄を

代わりに背負ってくださる方だとお聞きし、

ちょっととうの経った女の子ですが、

よーーーくお願いいたしました🙏

 

 

昨年の自分は、まさか一年後の自分の一番のお願い事が

”健康”になるとは思ってもいませんでした。

 

経験上、人生に無駄な時間は絶対ないと思っています。

 

今回こうして難病になった事も、

何か意味があるのだろうと思っています。

 

・普通の事が本当は奇跡なのだと心の底から認識できた事

 

・まだ死ぬには若いと言われる年齢でも、

 死生観は持っておいた方が良いのだと気づけた事

 

・この病気が難病でなくならない限り、

 一生病気と向き合うという事は

 定期的に先生に体調管理をしてもらえるので、

 健康な人より突然死のリスクが減るかもという事。

 色々な病気が初期の段階で発見してもらいやすい。

 天皇陛下様並みの好待遇なのであります(*^^)v

 

他にも色々ありますが、病気になって得た事です。

 

 

笑っても一生、泣いても一生。

であれば、少しでも多くの時間、笑って生きたいです!

 

笑うというのは生きている人間の特権だと思うので!(^^)

 

とりあえずいまの目標は、

いつか訪れる死に向けて、

死生観を整える事です。

 

お内裏様お雛様、

その日がどのくらい先の未来になるかわかりませんが、

いつか来るであろうその日まで、

できるだけ長くおつきあい頂けます様、

よろしくお願い致します<(_ _)>